「色覚異常」の最初のお話

色覚異常とは?──見え方のしくみと違いをやさしく解説

「色覚異常」という言葉を聞いたことはあっても、実際にどんな見え方なのかどういう仕組みなのかを知っている人はまだ多くありません。

このページでは、色の感じ方のしくみと、見え方のちがいについてやさしくご紹介します。


色覚のしくみ

人間の目は、光を感じ取る「網膜」という部分があります。その中にある「錐体細胞(すいたいさいぼう)」という細胞が、色の情報を読み取っています。

  • L錐体:赤い光(長波長)を感知
  • M錐体:緑の光(中波長)を感知
  • S錐体:青い光(短波長)を感知

この3種類の細胞がバランスよく働くことで、私たちはさまざまな色を感じ取ることができます。

しかし、L錐体やM錐体のはたらきが弱い、または欠けている場合、色の見え方に差が出ます。それが「色覚異常」です。



色覚異常があると、見え方はどう違う?

色覚異常のある人にとって、同じ景色でも色が違って見えることがあります。

たとえば下の画像は、同じ果物の写真を4つの見え方で並べたものです。

画像の説明:

  • 左1:通常色覚 → 鮮やかな赤いリンゴ、緑の葉がはっきりと見える
  • 左2:P型色覚(赤に弱い) → 赤がくすんで茶色に近く見える。赤と緑の区別が難しい
  • 左3:D型色覚(緑に弱い) → 緑がグレーに近く見える。赤との区別がつきにくい
  • 左4:T型色覚(青と黄の区別が苦手) → 赤や緑の見え方はほぼ変わらないが、青や黄色が区別しにくい(非常にまれ)

※画像のちがいが分かりづらくても大丈夫です。大切なのは、人によって「見え方にちがいがある」という事実を知ることです。


Color:Reから伝えたいこと

色覚異常は、外からは見えにくいちがいです。

でも、ちょっとした知識と工夫があれば、誰もが安心して過ごせる世界をつくることができます。

「色が見えにくいこと」は「できないこと」ではありません。 このページが、色の見え方を再解釈するきっかけになればうれしいです。

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プロフィール

色覚異常の社会人。 普通の生活ができないわけではないけど、色覚が普通にハンデになることも多い。 何か同じように気になる人がいれば共感して一緒に考えたいと思っている。

どうして自分だけが? 色覚異常と“遺伝”という目に見えないつながり 「なんで私だけが、色がわからないんだろう?」 子どものころからずっと不思議だった。 家族に色覚異常の人はいないし、誰にもそんな話を聞いたことがなかった。 でも、...

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